86より前に存在していたハチロクの再来「アルテッツァ」


2018年現在、FRスポーツカーといえばトヨタの86が有名かつヒットしており、
今となっては町中でアクアやプリウス並み・・・とまではいかなくともかなりの数が走行しているように思います。
86のコンセプトとしてAE86こと通称ハチロクがインスパイアされており、
決してものすごい速い車というわけではなく、FRレイアウトで運転が楽しく、自分だけの一台にする、一緒に成長する、などといった車をイメージして、86は開発されたとされます。

さて時代はさかのぼること、1998年、ちょうど10年前になりますが、
1998年にトヨタからアルテッツァというFRスポーツセダンが登場しました。

このCMからも見て取れますが、FRレイアウト、FRスポーツだということをかなり強く推している車だということがわかります。
このことから、当時はAE86の再来などとして過度に騒がれたとか。
今でいうところの86に近いような扱いに思えませんか?

アルテッツァの仕様を見てみましょう。

アルテッツァ RS
・エンジン 3S-GE,2000cc
・最高出力 210PS/7600rpm
・最大トルク 22.0kgm/6400rpm
・駆動レイアウト FR
・車両重量 1360kg
・全長 4400mm
・全幅 1725mm
・全高 1410mm

エンジンは3S-GEで、
SW20系のMR2にも搭載されていたエンジンです。
パワーは最大出力210PSと2000LのNAエンジンとしては高出力な部類でしょう。
サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーンとスポーティーな仕様です。
しかしながら重量は1360kgと、やや重め。
実はこのアルテッツァ、開発途中に欧州車との対向車としての役割を兼ねることになり、
当初コンセプトであったコンパクトなFRスポーツセダンからやや方向転換を余儀なくされたため、
欧米の各地域の基準を満たす衝突安全ボディの実現のため、重量が増しているとされます。
また、このアルテッツァの海外別称はレクサス IS
つまりやや高級路線のプレミアムセダンの位置づけを兼ねていたのです。
そのため完全なFRスポーツとして開発されたわけではありませんでした。

走行性能はどうなんでしょう。
上記のスペックからして、決して速くはなさそうですが・・・
下の動画では、DC2 インテグラtypeRと0-400加速を並走しております。

多少FFのインテグラのスタート不利という感もありますが、
この動画ではインテグラより好タイムをマークしております。

当時は、散々AE86の再来などと期待を煽られたわりに、
現れたのは4ドアのオッサンセダン、軽くない車重、当時ホンダの高回転NAエンジンよりも低パワーなエンジン。
これではイメージと違うとして、非難されることがあったとか。
(遅い車はむしろAE86的な気がしますが、やはり重いセダンというのがまずかったのでしょう。)

ただしそれはトヨタがAE86の再来を謳っていたわけではありません。
そのあたりが今のトヨタ86との最大の違いでしょう。
上記のように途中でコンセプトの方向転換を余儀なくされたアルテッツァに対し、
トヨタの86はコンセプト通りの車になっています。
トヨタ86もおっさん向けだとか、AE86とはやはり違うなどと言われることもありますが、
このスポーツカー冷遇の時代に、当初のコンセプト通りに開発が進み、
市場に登場したことはほとんど奇跡に近いと言えるでしょう。
旧車好きは86を認めつつも完全に認めなかったりしますが、
その登場についてはトヨタに感謝するしかないですね。

今となってはFRスポーツ自体が珍しくなってしまった時代です。
そんな中FRでスポーツ走行ができるような装備をもち、
そのうえ大人5人が十分乗れるアルテッツァは日常使いにも十分耐える稀有な存在ですね。

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