1989年、かの有名なR32スカイラインGT-Rが登場しました。
GT-Rのグレード復活は、通称ケンメリのGT-R以来となる実に16年ぶりでした。
全日本ツーリングカー選手権グループAで勝つために生まれたR32スカイラインGT-Rは、
その期待通りレースを勝ちまくり、あまりにも速いものだから、参戦車種のほとんどがR32GT-Rになった時期もあったという逸話があるほど、大変有名な車です。
そのR32スカイラインは8代目スカイラインに当たるのですが、
その1世代前の7代目スカイラインはR31スカイラインと呼ばれます。
[embedyt] https://www.youtube.com/watch?v=j1pCVu3oKeo[/embedyt]
R31スカイラインはどんな車か?
登場した頃、当時トヨタのソアラ等により流行であった「ハイソカー」つまり高級志向の影響を受け、
4ドアセダン、4ドアハードトップのみの設定であったため、
これまでのスポーツ志向の強かったスカイラインの系譜から逸れる方向性に対して
世間の評判は良くなく、
すぐに2ドアクーペモデルが追加された経緯があります。
レース参戦を目的としたGTS-Rが登場
登場時はスポーツ路線とはやや外れた車であったR31スカイラインでしたが、
登場からおよそ2年たった1987年、GTS-Rというグレードが800台で限定生産されました。
GT-Rではありません。GTS-Rです。
しかしこのGTS-Rも、グループAレース参戦を前提に開発されたホモロゲーションモデルであり、
大型スポイラー、専用大径ターボ、専用ステンレスエキマニ、専用インタークーラーなど大幅にチューニングが施されており、
エンジンは専用のRB20DET-Rを搭載、最大出力は210馬力を発揮しました。
(この数値はグロスではなくネット値だそうです)
このようにしてGr.Aレースでの活躍を期待して開発されたR31スカイラインGTS-Rでしたが、
実際にグループAレースに参戦するも、
当時世界を席巻していたフォード・シエラを相手に苦戦し、最終的な満足のいく勝利を収めることはできずじまいとなってしまいました。
この雪辱を果たすため、その後伝説となったR32スカイラインGT-Rの復活が実現したと言われております。
R31GTS-Rは、レース参戦前提の車ということで、GT-Rの復活もささやかれたそうですが、
最後までGT-Rとは名乗れずじまいでした。
この理由についての意見として、
開発当初のコンセプトがハイソカー路線であったこと、走行性能が十分でなかったことがあげられますが、
このレベルではGT-Rとは名乗れないという、日産の「GT-R」というグレードに対する強く高いプライドが感じられます。
速さだけではない、その音に注目
R31GTS-Rは限定800台生産であったことから大変希少価値の高い車ですが、
純正専用設計のステンレス製等長エキゾーストマニホールド出す音が非常に官能的だとして知られております。
この下の動画では開始早々に空ぶかしをしている様子を視聴することができます。
一度聞いてみてください。
良い音でしょう??
このブログではたびたび音について触れておりますが、
私がこのR31に興味を持ったきっかけは、とにかく官能的な良い音色だという噂を聞いたことでした。
下の動画はベストモータリングの動画、
FC3S型RX-7と走行しておりますが、そこでも音について言及されております。
一度生音を聞いてみたいものですが、
限定800台、すでに輸出もされてしまっておりますから、なかなか難しいかもしれません。