今、ホンダの軽オープンカーといえば、S660ですよね?
でも、いやいや、ビートでしょ!って言う人も居るでしょう。
ホンダの軽ミッドシップ2シーターオープン
2台共、軽規格のホンダ製ミッドシップオープンカーです。
ミッドシップというワードを知ってるような人じゃないと、ビートを知らないかも。
ビートが販売されていたのは1991年から1996年までですから、
新しくとも今から24年前の車です。古いですね。
今でもたまに走ってますので、まさかそんなに古いとは思わなかったかもしれません。
一方のS660は2015年に登場した見るからに新しい車です。
Sの名を冠するS660はS2000や往年のS800と同じ由緒正しいホンダのスポーツカーということでしょう。
Honda公式より
ただ、その軽規格かつ2シーター、そしてミッドシップということであれば、
ビートと比べられる事は避けられないでしょう。
誰でもそうします。
もう多くのWEBで同じような語り口で触れられたであろう、
このトピックを今更取り上げるんだから、どうかしてるかもしれません。
早速、スペックを比べてみました。
スペック
名称 | ビート (PP1) | S660 (JW5) |
外形寸法(全長全幅全高) | 3295x1395x1175 | 3395x1475x1180 |
エンジン | E07A (直列3気筒NA) 656cc | S07A (直列3気筒ターボ) 658cc |
最高出力 | 64PS/8100rpm | 64PS/6000rpm |
最大トルク | 6.1kgm/7000rpm | 10.6kgm/2600rpm |
駆動レイアウト | MR | MR |
車両重量 | 760kg | 830kg |
結構違うところがありますね。順に見ましょう。
S660の方が幅が広い?
まず寸法ですけど、
S660の方が幅が結構広い。実に80mm差。
でも8cm?そういわれたら大した差じゃないかも?
1475mmといえば、1480mm以下という軽自動車規格ギリギリ一杯の横幅です。
80mm増し。これは一見太ったなぁと思いがちですが、
ビートが出た当時の軽自動車規格では1400mm以下でないとダメでした。(1996年までの軽自動車規格)
つまりS660もビートもどっちも軽自動車規格ギリギリだったという事で、
差をつけた訳ではないと思います。おそらく。広い方が良いですもんね。
ターボ vs NA高回転
エンジンと最高出力、最大トルクを見てみると明らかに特性が違ってます。
ビートのエンジンはE07Aというトゥデイとかにも載ってたエンジンがベースになっていますが、
その時の性能だと、48PS/6300rpmという普通の性能です。
それが、MTRECというホンダがF-1で培った技術を応用したシステムにより、
64PS/8100rpmという、イカレた仕様になっているのです。
VTECだけじゃなかった!というわけですね。
6.1kgm/7000rpmという最大トルクも… どちらにしても7000とか8000まで回さないと美味しい所が来ないエンジンなんて、
今では考えられないですよね。それも軽自動車で。
参考
詳しくはHondaの公式ページを見ましょう
一方、S660はというと、
S07Aというエンジン。ターボ付き。
これはN-BOXやN-WGN等のNシリーズに搭載されるエンジンがベースということで、
S660はNワゴンのエンジンが載っている。等と軽んじられがちですが、ターボチャージャーに改良がくわえられているらしい。
なかでもこだわったのが最高許容回転数。6MTモデルではプラス700rpmの7700rpmまで高められています。 (Honda - S660)
比較して明らかに違うのがそのパワーの出方ですね。
NAとターボなので当然とはいえ、
S660の最大トルクは10.6kgm/2600rpm、
一方ビートは、6.1kgm/7000rpmということで、
ビートが7000rpmまで回して得られた最大トルクを、
S660は2600rpmに到達するまでに既に得ているという事になります。
技術の進歩もあるでしょうけど、そもそも志向が全然違うようです。
乗りやすいS660。ベタ踏みのビート?
ホンダのページを見ても、性能曲線が見つからなかったのですが、
東洋経済オンラインに昔出ていたようです。
出典:東洋経済オンライン
赤がS660、青がビートのデータです。
これによれば、低い回転からビートをはるかに凌ぐパワーを得られる。ということです。
つまり動力性能的にはS660に軍配が上がるでしょう!
…ただ、5000~6000回転で馬力のピークを迎え、
トルクも2000回転でピークなら、
上までストレスなく回る…とか、
最大回転数を上げた…とは書いているものの、
上まで回す意味はほぼ無いような?気がします。
シフトアップして次のギヤを使ったほうが良いように思います。
逆にビートは、回さないとパワーが出ないエンジン。いい意味で言えば、
回すほどにパワーが出るエンジンです。
間違いなく乗りにくい。
でも、踏みまくって回しまくって、S660より70kgも軽いボディで走るのは、
面白そう。Sの名を冠してないものの、Sシリーズっぽい気がします。
どっちが速いのか?
という事ですが、スペック的に考えても、
1991年と2015年という20年を超える時間差を考えても、
どう考えてS660の方が速いと思いますが、実際どうなんでしょう?
同じ人が同じ時に検証してみないとわからないですが、
参考としていくつか動画がありました。
まず、S660の筑波サーキットラップタイムが、
こちらの動画で1分18秒325と紹介されてます。
一方のビートは、同じ動画でも同じ人でもなく、そもそもこっちはバトルの1ラップなので、
かなり不公平なデータですが・・・
最後の方のレースで1分26秒100(?)と計測されております。
この数値だけみたら8秒差ということでかなり差があるように見えてしまいますね。
まぁ、S660は6速ミッション。ビートは5速ですから、
それなりのストレートがある筑波ではやっぱりS660が有利なのかもしれません。
ビートの方はウェットのコンディションですし、比べておいて今更ですが、比較してはダメですね。
どちらが優れてるとは言えない。
速いから良い悪いということは無いでしょう。
ゆったりオープンで景色を観ながら走るのが好きなのか、
なるべく軽い車体でグイグイとハンドルを切って走りたいのか、
同じ軽オープンでも、その人の趣味によって評価は分かれると思います。
結局ありきたりな結論に落ち着いてしまいました。
まぁ、どっちも良い車でしょう。間違いない!
でもどっちも新車で手に入るとするならビートが欲しいかな…