2017年にFK8シビックtypeRが新発売されました。
その速さは確かながらも大型化、高額な仕様は賛否両論ありますが。
ホンダスポーツといえばtypeR?
ホンダのスポーツカーといえばtypeR,タイプRというスポーツグレードが登場することでおなじみですね。
typeRはエンジンのヘッドカバーが赤いことで知られております。
ちなみにS2000にtypeRは存在しませんが、
搭載するF20Cエンジンは赤いヘッドカバーが取り付けられており、
typeRが登場しなかったのは、ノーマルグレードですでにtypeRだったからだという解釈がされていたりします。
近年ではシビックといえばtypeRというイメージがついていますが、
typeRが登場したのは1997年のEK型シビックが最初でした。
頭文字Dでも有名なEG型シビックはtypeRが存在しませんでしたが、
もちろんスポーツグレードが無かったわけではありません。
typeR登場以前まで、最速の称号は「SiR」
タイプRが登場するまで、スポーツグレードとしてはSiRという称号がありました。
SiRというのはSports Injection Racingの略称です。
当時はまだ燃料噴射をキャブレターにより行っていた車も多く、
Sports Injectionとあえて称号を与えていたことは、
電子制御による燃料噴射装置(インジェクション)を備えていることをアピールしていたわけです。
実際、EG型シビックは、EG3(1300cc)の「EL」、EG4(1500cc)の「MX」などはキャブレター式でした。
「SiR」「SiRⅡ」はEG6のみに存在するグレードであり、
つまりEG6(1600cc)のSiRⅡこそが今でいうtypeRだったといえるでしょう。
捕捉ですが、SiRとSiR2の違いは主に快適装備があるかどうかで、
SiRは競技ベース車となっており、快適装備は無く、いまのtypeRに近いのはSiRⅡと言えます。
下はEG型シビックのCMです。
今とは物価が違うのですが、値段が安すぎて驚きです。
EG6の性能は
出典元:Youtube5代目シビック SiRⅡ(EG6) 1991-1995
全長全幅全高:4070x1695x1350
エンジン:B16A,直列4気筒1595cc DOHC VTEC
最高出力:170PS/7800rpm
最大トルク:16kgm/7300rpm
駆動レイアウト:FF
車両重量:1050kg
コンパクト(このサイズでも前より大きくしたと説明されているのですが)で1050kgという軽量な車体に搭載されるエンジンは、
有名なVTECというホンダの可変バルブタイミング機構を備えたB16Aです。
1600ccの排気量ながら、最高出力は170PS/7800rpmというとんでもなく強力なパワーを発生します。
このパワーがいかに高いか、下の表を見てください。
年代 | 車名 | エンジン | 最高出力 |
1983-1987 | AE86 | 4A-GE 1600cc | 130ps/6600rpm |
1991-1995 | AE101 | 4A-GE 1600cc | 160ps/7400rpm |
1989-1997 | NA6CE | B6-ZE 1600cc | 120ps/6500rpm |
1600ccのテンロクスポーツの中でも170psというのはクラス最強であったことがわかります。
当時最強の称号だったSiR2に恥じぬ性能といったところでしょうか。
下の動画でAE101レビンとEG6シビックSiRの直接対決が見られます。
レッドゾーンが8200rpmから始めるほど高回転仕様のエンジンは、
いかにもホンダっぽいエンジンですが、最高出力も最大トルクも高回転で発揮されることから、
街のりではなかなか乗りにくい仕様だったのかも?と思いますが、
下の動画によるインタビューでは、低速トルクも上げているから大丈夫ということでした。
やたら良い音で走ってていい動画です。
SiRというグレードは、その後typeRの登場により、消えていくわけですが、
プレリュードなどのガチガチのスポーツカーというよりスポーティーカーという位置づけの車にも、
SiRは用意されていたことから、typeRというほどの別格というより、
今でいうところのRSか、RSの少し上のようなイメージといったほうが正しいかもしれません。
どちらにしてもSiRという名前は無くなってもSiRに相当するグレードが無くなったわけではないと言えるのではないでしょうか。