ランエボⅣからエボシリーズ通称第2世代に入っていきます。
なぜ第2世代か? それはベース車であるランサーがモデルチェンジしたのに伴って、
ランエボもモデルチェンジしたからです。
ランエボ3の雰囲気は残しつつも、
キリっとした目つきになり、また巨大なフォグランプが印象的です。
性能においても、ツインスクロールターボによりパワーはいよいよ自主規制の280PSに到達します。
つまり当時国産最高クラスの馬力です。
1996年登場 ランエボⅣ
- ランサーエボリューションⅣ (GSR)
全長全幅全高:4330x1690x1415
エンジン:4G63 直列4気筒DOHC ターボ 1997cc
最高出力:280PS/6500rpm
最大トルク:36kgm/3000rpm
駆動レイアウト:4WD
車両重量:1350kg
車両重量は1350kgとエボⅢから90kgも増加しております。
最高出力がアップしているとはいえ、パワーウェイトレシオ的には4.67→4.82kg/psと悪化してしまいました。
しかし280psは自主規制値ということで、またランエボシリーズはカタログより実馬力の方が高い数値が出ているなんていう話もチラホラありますから、
実はもっとパワーがあるかもしれません。
そして、ボディの横幅はほぼ変わっておらず、大概後のモデルほど大型化する傾向にあるところが、
むしろ狭いという珍しいケースです。
この後のエボⅤでは3ナンバー化するため、5ナンバーサイズに収まったエボⅣを好む人も居るようです。
エボⅢ→Ⅳでパワーがアップしたことももちろん特徴の一つですが、
大きな特徴として、AYC(アクティブヨートルクコントロール)を搭載したことがあげられるでしょう。
これは三菱独自の旋回性能向上機構で、左右後輪の駆動力配分を電子制御するものです。
LSDとは違いますが、LSD的な?もので、
デフ内のオイル粘度(ビスカス式)や複数ギヤ(トルセン式)によるものではなく、
電子制御でトルクを配分するシステムです。
このシステムの搭載により、ランエボの旋回性能を大いに向上することになるのですが、
当時まだAYCは登場したばかりの発展途上の技術であったことからトラブルが多かったようで、その完成は次のモデルを待つことになります。
ここからいよいよランエボの電子制御による高性能化が本格的になってきました。
つぎのランエボ5ではオーバーフェンダー装着により、車幅1770mmの3ナンバー車になりました。
ガワが大きくなっただけではなく、ワイドトレッド化し、タイヤサイズ16インチから17インチへと拡大しており、
また、初代からの弱点であったブレーキの弱さについても、
Brembo製ブレーキを採用して制動性能の強化が図られております。
その他エンジンの最大トルクも2kgm向上しております。
1998年登場 ランエボⅤ
- ランサーエボリューションⅤ (GSR)
全長全幅全高:4350x1770x1415
エンジン:4G63 直列4気筒DOHC ターボ 1997cc
最高出力:280PS/6500rpm
最大トルク:38kgm/3000rpm
駆動レイアウト:4WD
車両重量:1360kg
こちらの動画(Bestmotoring)でエボⅣからの進歩点が解説されております。
ⅣからⅤでかなり旋回性能が向上しているようです。
初代の曲がらない車というイメージはもはや払拭されたと言えるでしょう。