旧車・スポーツカー紹介

国産マッスルカー? セリカより先に登場した「三菱 ギャランGTO」

近年、日本近隣の某国の車が日本車とデザインが似ていてパクリだとか騒がれたりしていますよね。
時代背景もありますが、昔の日本車も結構当時の外車に似ていたりしますので、
某国を擁護するつもりはありませんが、車の外見に関してはあんまり強く言えないような…と個人的にはちょっと思います。

 

例えば、セリカのLBはアメリカのマスタングにかなり似てる事で話題に上がります。

 

1973年 トヨタ セリカ LB(リフトバック)

1969年 フォード マスタング

たしかに全体的なフォルム、リアのデザインはかなり似ていますね。

1960年代にアメリカで流行したポニーカーというジャンル

マスタングは「ポニーカー」と呼ばれ、(馬のポニーと同じく、練習用という意味)
当時アメリカの若者の間でヒットしました。
アメ車といえば「マッスルカー」というイメージがありますが、
それよりも一回り小さく、軽いイメージです。

そのコンセプトは、手ごろな価格でスポーツ走行ができる車であり、
普通のセダン「フォード・ファルコン」をベースに見た目をかっこよく、エンジン等をスポーティーに仕様変更した車です。部品が共通なので価格を抑えられるわけです。
セリカも同じ思想で設計され、ベース車は「トヨタ・カリーナ」でした。

 

というわけでポニーカーの流行を取り入れた車だったわけです。
セリカはマスタングに似ている。と良く聞きます。
しかし周りをよく見れば、実はセリカのLBよりも前に三菱のギャランGTOという車が存在しておりました。

そして、ギャランGTOのスタイリングは

いかにもアメリカンな雰囲気で、先ほどまでのマスタングやセリカと同じものを感じませんか?
このギャランGTOの登場は1970年で、セリカLBより早くに登場しました。
ギャランGTOのベース車はコルトギャランです。

つまり、セリカLBはマスタングに似ているというか、ギャランGTOに似ているという方が合っているのでは?と思いませんか。

 

ギャランGTOとは?


2019年5月トヨタ博物館にて

全長全幅全高:4125x1580x1310
エンジン:DOHC 4G32 1597cc
最高出力:125PS/6800rpm
最大トルク:14.5kgm/5000rpm
駆動レイアウト:FR
車両重量:980kg

ギャランGTOはコルトギャランの派生スポーティーモデルとして登場しました。
GTOは「Gran Turismo Omorogato」の略で、GTカーレース用車として公認された車モデルだという意味を持ちます。
それだけ三菱のスポーツカーという看板を背負っていたモデルだと言えるでしょう。

グレードは「MⅠ」「MⅡ」と並び、やや遅れて登場した最上級グレードが「MR」(Mitsubishi Racing)です。
MⅠ~MⅡはSOHCのエンジンで、最高出力100と110psとしておりましたが、
MRは専用のDOHCの最高出力125psを搭載しており、最高速度は200km/h出るというふれこみだったようです。
980kg・125psのエンジンで200km/hホントに出るのか気になりますが。

 

しかし排ガス規制のため、最上位モデル「MR」は1972年で生産を終了することになります。
生産台数は835台のみ。街で見かけたら激レアです。

 

その後、1973年にMRにかわるトップグレードとして「GS-R」が登場します。
排ガス規制のためパワーダウンを余儀なくされたわけですが、
GS-Rに搭載するエンジンはMRの1600ccから2000ccに増大させてこれをカバーします。。
その結果最高出力は125psを維持しています。
しかしながら、DOHCだったエンジンはSOHCになっており、
も排ガス規制で弱体化を迫られた後のGS-RよりもMRを好むマニアが多いようですが。

エンジン:SOHC 4G52 2000cc
最高出力:125PS/6200rpm
最大トルク:17.5kgm/4200rpm

派手なオーバーフェンダーが装着されているのもGS-Rの特徴です。

三菱のGTOといえば、バブル期以降のGTOも有名ですが、オリジナルはこのギャランGTOです。
このGTOという称号自体は、フェラーリの250GTOがオリジナルであり、
マスタングの思想を取り入れたセリカもそうですが、
当時の日本車は海外の影響を大きく受けていたのは間違いないでしょう。
それは車に限った話ではなく、技術が発展する最中には当然あることだと思います。
しかしオリジナルを貶したり、オリジナルの存在を否定するようなことはあってはならないと私は思います。

-旧車・スポーツカー紹介
-, , , ,