1989年登場のBNR32スカイラインGT-Rは「GT-R」の復活として大注目の中登場しました。
まるでレースカーが市販化されたかのようなスペックが、
世間を大いに賑わせ、今でも車のレースゲームにはかなりの確率で登場する名車です。
しかし次のR33はあまり評判が良くないというのが通説。
このCMでも紹介されているように、R32に比べてニュルブルクリンクのラップライムは21秒縮まり、
車としての性能は進歩していることがうかがえます。
にも関わらずなぜR33は不人気だったのでしょうか?
スペック上の変化は?
R32のスペックを見てみますと、
スペック
R32 スカイラインGT-R (BNR-32)
全長全幅全高:4545x1755x1340
エンジン:RB26DETT 2568cc
最高出力:280PS/6800rpm
最大トルク:36kgm/4400rpm
駆動レイアウト:4WD
車両重量:1480kg
続いてR33
スペック
R33 スカイラインGT-R (BNR-33)
全長全幅全高:4675x1780x1360
エンジン:EB26DETT 2568cc
最高出力:280PS/6800rpm
最大トルク:37.5kgm/4400rpm
駆動レイアウト:4WD
車両重量:1530kg
変わったのは赤字にしているところです。
R32よりR33が優れているところとしては、
最大トルクが向上していることでしょう。
最高出力はご存知自主規制値280PSという縛りがあるため、変わっておりませんが、
最大トルクについては1.5kgm向上しております。
さて一方、一般的に悪くなったとされるのが、
ボディの大型化です。
全長全幅全高すべてがR32より大きく変更されています。
そして重量も50kg増量。
これが一般にR33はデブになったと言われてしまう所以です。
なぜ人気がないのか?
某峠の車漫画ではR33は失敗作と呼ばれる一方、
某高速道路の漫画では安定感に優れており、R34より良い等と評されておりますので、
一概に悪いとも言えないわけですが、一般的にデカくて重くなったのにパワーは変わらない。
と聞く限りではあまり良いイメージを持たれなくても仕方ないでしょう。
R32のセダンは後部座席がかなり狭く、人気が出なかったという背景があり、
その対応としてボディにゆとりを持たせたのだと予想できます。
今でこそGT-Rは単体の車になりましたが、当時はスカイラインというモデルの中の1グレードでしたから、
スポーツモデルのことだけを優先することはできなかったのかもしれません。
見た目がかっこ悪い?
R32の精悍な印象とは多少異なり、
やや丸みを帯び、なんとなくソフト、優雅な印象があるR33GT-Rは、
ハコスカGT-Rなどのような男らしい雰囲気がR32ほど無い様に思えます。
S13シルビアからS14前期にモデルチェンジした時も、マイルドな表情となったS14は不人気でした。
当時の日産ではこのようなソフトでマイルドな雰囲気を基調としていたのでしょうか。
今となっては落ち着いたイメージのR33は、
いかにも速そうな雰囲気を全面に押し出してないところが、私には逆にかっこよく見えてきます。
物凄く上手く行ったモデルの次というのは難しいものですが、
大型化よりもどちらかというとこの見た目のイメージチェンジが大きな影響を与えていると思います。
続くR34スカイラインGT-Rは。
スペック
R34 スカイラインGT-R (BNR-34)
全長全幅全高:4600x1785x1360
エンジン:EB26DETT 2568cc
最高出力:280PS/6800rpm
最大トルク:40kgm/4400rpm
駆動レイアウト:4WD
車両重量:1540kg
4年後モデルチェンジとなったR34GT-Rでは、
やはりR33での不評を受け止めてか、
まず見た目の雰囲気がまるで違い、明らかに角ばったエッジの目立つデザインとなりました。
サイズ面では横幅や全高はほぼ変化していないところが、
長くなったホイールベースを戻すようにして全長はかなり短くなりました。
R32:2615mm
R33:2720mm
R34:2665mm
いよいよ最強のスカイラインGT-Rとなったわけですが、
時はすでに1999年。
エネルギー問題や環境問題がメディア取りざたされる中、
90年代の馬力競争という時代ももはや終わりを迎えつつありました。
そうしてR34は最後のスカイラインGT-Rとなりました。
日産が公式に配信している動画です。
R32からR34、そして現GT-Rまで登場していておすすめです。
やはりGT-RとスカイラインGT-Rは違う車ですね。