ロードスター 雑記・小ネタ

乗ってわかったNB8CとNDロードスターの違い

普段通勤からプライベートすべてNB8Cを愛用しております私ですが、
マツダにてNDロードスターを試乗してきました。

ネットのページではNDはNBに似ている等というコメントも散見され、
また、NBの中古車市場価格が底打ちしているのか手ごろな価格になっていることもあり、
NDは高いからNBを買った等という声もチラホラ見えます。
前からホントに似てるのか?と疑問に思っておりました。
今回良い機会でしたので、はりきってテストドライビングしてまいりました。

外観・寸法比較

外形寸法の違いはこちらのサイト様で判りやすく比較されております。

歴代ロードスター最短とされる全長はNDの特徴である。
一方全幅に関してはNBに比べ広がっておりワイドトレッドとなっている。
この辺りは5ナンバーではなく3ナンバーであることからも明らかである。
その効果か、NBは見た感じ小さい車だという印象があるが、
NDを見ても明らかに小さいという印象は無いように思える。

NBの顔についてはあまり評判が良くないが、
NBはニコやかな顔をしているのに対し、
NDはかなり怖い顔になっている。

リアから見るとNDはトランクの位置が高く、そのために車高が高く見える。
NBの方がワイドで平べったく、低い車に見える。
個人的に後ろ姿はNBの方が良い。

最新装備の数々

内装については試乗したNDがVSグレードではなかったので、
特別重視されたモデルではないが、さすがに10年以上前のNBと比較すると、
もう全然違った。当たり前だが完全に最新の車である。
ロードスターにはずっとついてなかったステアリングのチルト機構がついているのがまず驚きである。

道路標識を読み取って一時停止だとかのサインがメーターパネル内に表示されるハイテク機能付きで、
試乗しているとたまに警告音がピコピコなるのだが、
これは車線はみ出しをお知らせする機能だとのこと。
(もちろんオフにはできる)
安全関係の補助機能はかなり充実していて、ロードスターとはいえやっぱり色々ついてるんだなと思った。
この辺の機能の充実が価格UPに繋がっているのか。仕方ないことだが。

車内は狭い

NBも狭いが、NDもやっぱり狭い。当然である。
広いとむしろ批判されるだろう。
だがNDはグローブボックスが無かった
後ろに物入れはあるが。実際乗り始めると慣れるのかもしれないが、不便そうに思う。

NBの左右対称のようにデザインされたインパネまわりとは結構ちがい、

NDの場合は明らかに非対称になっている。

左右対称なデザインはNAからNCまで同じだったので違和感はある。
とはいえこれはNDが特別というわけではなく、
デミオ等の他の現行マツダ車も同じような非対称の造りになっているし、
NC以前当時のマツダ車は左右対称の作りになっていたので、
その時代で似たデザインに統一されているのだということだろう。

それにしてもNDは他マツダ車とかなり似たデザインだ。

座った印象

まず、ドアを開けると窓ガラスがやや下がる。
閉めると窓ガラスが上にグッと押しつけるように閉まり、密閉性が増す。
サッシュレスのドアにおける密閉性の悪さを改善するための機能が付いている。
自分のNBはそんな機能がないので高速走行時に風がどこからともなく入って音を立てるが、
このやはりNDではそんなことはないんだろうか。

エンジンスタートはキーではなくボタンである。
スタートしたときの威勢の良い排気音はかなり良い音で驚いた。
排気音が車内に入ってきて気分を盛り上げるような演出がやはりされているとのことだった。
そのモノ自体の存在は知っていたが、「楽しまされている」ようであまり良い印象ではなかったのだが、
実際聴いてみるとなかなか良いものだった。
普段NBでドライブするとき、意外と車内では良い音がしないので、
運転席の窓をすこし開けて走ることが多いのだが、この機能があれば全閉でも十分音が聞こえそうである。

へたりのあるNB後期VSの革シートと比べるとやはりシートはホールド性に優れている。
これでもマツダはシートがあまり良くない等とネット上に書かれているのを見ると、
他メーカーはもっといいのだろうか?
NBのシートは割と滑るのだが、NDのはそんなことがなかった。

目線はNBとほぼ同じか、もしかするとわずかに低い?ような印象。
センターコンソールが若干高く感じ、なんとなく自分が座席に埋まるような感覚がある。
そのせいで余計にホールドされたように感じるのだろうか。

幌について

この新型のすばらしいところは座ったままで幌を開閉させられるというところである。


NBでも座ったまま開けることは可能だが、
座ったまま上の動画のように閉めるのはまず無理である。

加速性能

1.5リッターということで、歴代最小の排気量なのだが、
軽量ボディのおかげで加速感は十分にあった。
普段のNBは1.8リッターだが、それと比べても特に明らかに遅いとは感じない。
むしろ、1.5でも普通に軽快だなーと感動した。
ただ、特別感を感じるのに1.6は欲しいのは確か。

電スロの影響なのか、2速3000rpmくらいからクッと踏んだときの反応の良さはさすがにNBの方がよかった。
このダイレクト感はNBがNDより完全に優れている唯一のポイントである。
けどもNDも基本的にはかなりよく、さすがそこはスポーツカーとして調整されていることが伝わってきた。
何度か繰り返しているとたまにちょっと遅れるときがあってそれは何か制御が介入したのか、
私のせいなのかわからない…

ハンドリング感

パワステの効き具合もそんなに違和感が無い。
代車のデミオやCX-3に乗った時はめっちゃ軽くて変なかんじだったが、NDはそんなことがなかった。
さすがに剛性はかなり良くなっただろうということと、
トレッドが若干広いからか、かなり安定していて、ちょっとスピード速めで旋回しても不安定感がない。

めちゃくちゃクイックということでは無いあたり、ロードスター感がある。
サスペンションは割と柔らかめ?で路面の凸凹を拾った感触や音はあるものの、
明らかに揺れず、ゆったり流すにはちょうど良い感覚。
北米市場を意識した?のかNANBのイメージからすこし外れたNCと比べ、
原点回帰を売り文句にしていただけあり、コーナリング重視のライトウェイトスポーツというイメージ通りの車だと思えた。

シフト操作の印象

NDロードスターに搭載されるのは6速ミッション。それも内製ミッションとのことである。

参考

マツダはサプライヤーから変速機を仕入れることもあったが、最近は特に内製化にこだわっている。国内では珍しくMT搭載車種が多いこともあるが、単に自社で仕様を決定できるというだけでなく、部品レベルから内部の構造を最適化し、理想のトランスミッションを追求できるのが強みだ。
引用元:Response.jp トランスミッションを内製する理由と、開発の目的
https://response.jp/article/2015/08/29/258929.html

NBにおいても、NB6C(1.6リッターモデル)に搭載される5速ミッションは内製であり、
NB8C(1.8リッター)に搭載される外注6速に比べ評判が良く、
内製ミッションというのはひそかに憧れていたのだ。
正直6速も必要ないのでNB8Cも内製の5速で売られていたら良かったのに、と思う。

で、NDの6速ミッションを操作して初めて内製ミッションに触れたのだが、
さすがにショートストロークである。シフトノブが短いせいか余計にそう感じる。
試乗車が走行1000キロメートル代の真新しい車だったせいか、多少硬いように思えたが、
入りにくい、ということは無く、
むしろスムーズで、ゲームのコントローラーを操作しているかの如く、
本当にこの下にミッションがあるのだろうかというほどである。

バックギヤはNで下(床側)に押し込んで左側に操作するという作りになっており、
最初はすこし戸惑ったが、NB8Cのように6速に入れる時に間違えてバックにならないか?
ということを気にする心配はない。

ペダル類の印象

アクセルペダルは最近のマツダ一押しのオルガンペダルである。
この方が疲れにくく、踏み間違いも少ないということで、
人間工学的にペダルの配置にこだわるマツダには譲れない点だろうか。
ただしフロアマットの端に引っかかり戻らなくなる(アクセルが踏みっぱなしになる)
というリスクはやや上がるとか。

オルガン式のメリットは↑リンクにもあるように、アクセル開度の調整がしやすいというところで、
マツダのほかにもポルシェもそうなっているらしい。

ところで、オルガン式はヒールアンドトー(ヒールアンドトゥ)がし難い?というのが良く聞く話であるが、
ネットではむしろし易い等の意見もあったりする。

メモ

実際どうなのか自分で試してみたところ、
ヒール(カカト)でやろうとすると確かにやり難いように思える。
オルガン式ペダルの上のほうが奥にあるため、カカトで押すにはちょっと遠い感じである。
この辺はブレーキの踏み具合にもよるし、慣れればいけるのかも。

ネットでみると右足の外側側面を使ってアクセルを煽ると良い等と書かれており、
レースドライバーのテクニックとして普通にあるらしいが、
もはやヒールではなく、トーアンドトー状態なので、やっぱりヒールアンドトーはやり難いという事だろうか。

この辺についてマツダはNDロードスターに関して、アクセルペダルを厚くすることで、
ヒールアンドトーし易く配慮しているとのこと。

全体の感想

全体的にさすが最新の車という印象である。
試乗を終えて、マツダディーラーに帰る時に道から歩道に乗り上げたとき、
NBではいつもミシっと音がするのに対し、NDは無音でした・・・

NBと似ているか?ということでしたが、
走りの感じは結構似てます。
少なくとも、仮に私のNBがぶっ壊れてNDに乗り換えたとしても、
あーもう全然ちがうな~とは思わないでしょう。
AE86から86(ZN6)に乗り換えるのに比べたら同じ車だというほどに。

NDを悩んでいるが、オープンに乗ったことが無いという人は、
NBの中古がかなり安いので、まず乗ってみて、
オープンとは、ロードスターとはどんなものかちょっと味わってみるには確かにちょうどいいでしょう。

だけども全体の工業製品としての出来が全然違うので、
内装とかはもう全然似てません。
私のNBはVSグレードなのでまだマシですが、
最近の別車に乗ってて、次にNDに乗ろうとした人がNBで我慢できるかというと、
走り云々ではなく、純粋に身の回り、触れるところが安っぽすぎてダメかもしれないですね。

ロータリー車無き今のマツダにおいてマツダスポーツを背負うロードスターは、
もはや安価なお手軽スポーツという枠ではなくなってしまったような気がしますが、
まぁこれだけ最新仕様で専用設計されていたらそりゃあ高くもなるってなもんです。
むしろ、これだけエコカー全盛の時代に新車で原点回帰したロードスターを世に送り出してくれたことに感謝するしかないでしょう。
ずっとNAに乗っていた人がND乗り換えるという話を聞くあたり、そのコンセプトは成功したということじゃないでしょうか。

試乗中、ディーラーの人が大して何もPRされなかったので聞いてみたら、
この車は何も言うことがない、乗って感じてもらうのがベスト。と言っていた。
なんかそれっぽく、ロードスターに興味を持ってる人をその気にさせるような、
PRしてないようで上手いPRをするもんだな~と思った。

おまけ

ちなみにRFはガッチリしていて全然違う車でした。
オープンでも頭上が開くだけですが、
電動なのであれだともっと気軽にオープンで楽しめるでしょう。
ただし軽量ヒラヒラのロードスターというイメージはちょっと違ってて、
ガッチリして高級感があってトルクのあるスポーツカーです。
電動の方がいいから、という理由だけでRFにすると思ったのと違うかもしれません。

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