このNA6CEロードスターは結構状態良い方だと思うが、
意外とシートのヒビと破れが目立っている。↓
運転する際にはもちろん接触する場所なので、
乗るたびに意識せざるを得ない。できれば改善したい・・・
そんな中、さすがはロードスターというべきか、
革シートの張替えを行えるようなアフターパーツもあれば、
自作してしまったような人の情報もネット上で見つかり、
補修意欲が生まれてきたのである。
とはいうものの、
補修するのか張り替えるのか、どうするかはさておき、
とにかく車内にあってはどうすることもできず、
まずは車外へシートを取り外すことが第一歩として必要なのであった。
シートのボルトがめっちゃ固い
シートは前後動くレールを4点で固定されている。
固定部分はカバーがついているが、外した状態。
その下に二面幅14mmのボルトがある。
これを外せばシートが外せるというわけである。
で、まずソケットと、ラチェットで試しに回そうとしてみたが、
いやーこれが うんともすんとも言わない。
とても簡単に取れるような硬さではなかった。
いやそんなハズは…と思って556を吹いたりするも、
やっぱり全然ダメ。
さすがにラチェットのようなギヤが入った工具でそれ以上力を掛ける気にはならず、
一旦撤退である。
スピンナハンドル(ブレーカーバー)を買う
先人たちの情報を参考にさせていただくと、
やはりめっちゃ固いという声があった。
ちょっと安心。やっぱそういうもんなのねという。
クロスレンチを使うなどの提案がされていたが、
実は逆ネジになってますよとか、溶接されてますよとかいう情報は無いので、
やはり王道の手法で外すしかないようである。
参考
http://www.carmakecorns.com/message/message5/745810889479802.html
(カーメイクコーンズ掲示板・「純正シートレールのボルト」)
高校で習う力のモーメントの通り、
腕が長いほどトルクが大きくなる。
よってレンチにパイプを掛けて延長したりする技があると思うが、
メガネレンチ等を持ってなかったので、ソケットを付けられるスピンナハンドルを買った。
120mmくらいのラチェットから、300mmという長さになり、これはイケるやろ。っていうパワー感であった。
しかも、車整備業界で定番の浸透潤滑剤「ラスペネ」まで投入。
参考
ちなみに買ったのはRP-Lというラスペネだが、
これは無臭性のモデルで、
RP-Cか、RP-Mの方が強力らしい。
しかし車内がオイル臭くなってもまずいのでRP-Lにした。
いよいよ本気で勝ちに来たこの布陣で臨むリベンジマッチ。
さぁどうなるか?
結論からいうと、3本は回った。(4本中)
それでもなかなかの硬さ。
回る瞬間はパキっと鳴った。いわゆる硬いネジらしい挙動。
問題はあと1本の、後部外側。ドアに近い方である。
これは全く取れず、
とにかく椅子とトランク側の壁が邪魔で、
スピンナハンドルが良い角度に来ず、
ボルトと垂直にハンドルを回すことが難しい。
社内の壁やシートに当たって作業範囲が取れない。
ハンドルをやや立てればマシだが、やたら固いので、
斜めにするととにかくナメそうになる。
シートを解体すれば良いのかもしれないが、
それだと何のためにシートを外そうとしているのか分からない・・・ので止めた。
かといって短いレンチでは力が足りないという有様。
シートの隙間から無理やり手を入れる技を使うも、
シートが一緒に動いて力が入らず。
(シートと一緒に動いているときのマヌケ感は半端じゃなかった。)
あまりにも硬く、徐々に六角の角がナメ始める感覚があったので、
またしても撤退を決意。
インパクトドライバー投入
最終兵器という気分で電動インパクトドライバーを用意。
自分の力不足かと無念に重いつつも、
もう取れた気になりながら最終兵器を使った。
まずはLowで試す。ガガガガッガと打撃音が響く。
やはりだめかとMiddleで。ガガガガガとむなしく響く音。
やっぱり固いんやな~このボルト。と思いながらMAXで掛ける。
ガガガガガと… 回らんやんけ!!!!
激しい打撃によってやはり六角の角が丸くなってる気がしたので中止。
インパクトドライバーじゃなくてインパクトレンチだったらイケたのか?
ガソリンスタンドとかのエアー式ならもっと強いのか?
等色々反省点はあるものの、
とにかくこんな住宅地であまりにも長い時間打撃音は鳴らせない・・・ので、
またしても撤退。
いまさらながら、
一部にあった簡単に取れるとか、ちょっと固いけど頑張ったら取れるとかいう話は何だったのか。
多分それって前に取ったことある中古車を買った人やろ。きっと。
専用治具・ラスペネ漬け・パイプ
この後はとにかく何でも試した。
ラスペネを4日間毎日掛けて放置し、
5日目にトライ。ダメだった。
14のソケットが小さくて力が入らない&ボルトナメってきたので、
14を24にする治具を作ってもらって試した。
しかし、ダメだった。
エクステンションバーを使って車外まで出る長いパイプを使った。ダメだった。
ボルト頭をたたいた。ダメだった。
今更これでイケるとは思えないが、
レビューを見てたら「ラスペネでもダメだったけどあっさり回りました♪」とか見たので、
もしかしたら・・・と思って凍結タイプの浸透潤滑剤を使った。
ダメだった。
これはあかん。万策尽きた。
なんでこんなに固いねん。
あまりにもアホみたいに固いので、
逆ネジを疑うレベルだったが、そんな話はネット上になかったし、
ましてや、1個だけ逆ってことはなかろう。
結論 ボルトを破壊
もうどうにもならんかったので、
ボルトの頭に穴をあけて潰して取った。
車内が切粉で汚れるので、できれば避けたい手法だったが、
もうそのほかになかった。
みたところピッチは細目1.0だが、M10の普通のフランジボルト。
M10で頭が14というのは自動車規格らしい。
接着剤がついてる訳でもなさそう。
30年近く1度も取ってないボルトってのはこんなに固くなるのだろうか。
結局回すということは出来ず、
ドリルで頭を飛ばすという最終手段でこの戦いに終止符が打たれたのである。
ちなみにボルトはモノタロウで純正が買えた。
振り返り
あまりにも固くてビックリし、
ネットで探したらそんなに固くないっぽくて困惑している人が
この先現れれば参考にしてほしいと思います…
とはいえ、ドリルで頭を飛ばすのを推奨するのはどうかと思うので、
やっぱ硬すぎたら車屋さんにお願いした方がいいでしょう。
どうしてもドリルを使わず、
車屋さんにも頼まずセルフでボルトを回してやるぜ!という方は、
下記仮説を是非とも検証していただきたい…
ラスペネRP-LじゃなくてRP-Cなら回った説
車内の臭いがどうとか甘えずに最強をはじめから使っておけばまた違う結果に?
インパクトドライバーじゃなくてレンチなら回った説
やっぱり得意分野なら違う結果になっていたのかもしれない?
今回取れなかったボルトを最初に外し始めたら回った説
というより、他3点が浮いた状態だと1点に力が掛かって外れにくくなっていたかも?
ご覧いただきありがとうございました。